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NYダウ1164ドル安、約2年ぶりの下げ幅 業績悪化懸念(写真=AP) - 日本経済新聞

【ニューヨーク=大島有美子】18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は急反落した。前日比で1164ドル52セント(3.6%)安の3万1490ドル07セントで終え、年初来安値を更新した。下げ幅は2020年6月以来、約2年ぶりの大きさとなる。小売り大手の決算が市場予想を下回り、インフレに伴うコスト増が企業収益を圧迫するとの見方が強まった。

ダウ平均は朝方から軟調に推移し、午後にかけて下げ幅を広げた。投資家のリスク回避姿勢が強まり、ハイテク株など高PER(株価収益率)銘柄の売りが加速した。

18日には小売り大手ターゲットが2022年2~4月期決算を発表した。供給網の混乱や燃料費の増加などで大幅減益となり、1株利益(EPS)は市場予想を3割ほど下回った。17日に決算を発表した最大手のウォルマートのEPSも市場予想に届かず減益だった。さえない小売り決算から、先行きの企業業績で利益率が低迷するとの不安が強まった。

ターゲットは前日比で25%安と大幅に下落した。ウォルマートは7%安、コストコ・ホールセールは12%安と小売企業に売りが広がった��。ほぼ全面安の展開で、アップル(6%安)やマイクロソフト(5%安)などハイテク株の下げも目立った。ナスダック総合株価指数は4.7%、S&P500種株価指数は4%下落した。ナスダック指数は21年11月につけた最高値を29%下回った。

米金融サービスLPLファイナンシャルのライアン・デトリック氏は「金融引き締めは材料として目新しくないが、企業収益や、インフレが消費者に与える影響への懸念が加わったことで大きな下げにつながった」と指摘する。投資家の不安心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は31を超え、前日から19%上昇した。

債券市場も不安定な値動きとなった。米長期金利の指標となる米10年物国債の利回りは同日、一時3.01%をつけた。取引時間中に3%台にのせるのは11日以来となる。金利は午後にかけて下げに転じ、2.8%台に戻した。

バンク・オブ・アメリカが17日公表したファンドマネジャーへの調査によると、投資家は同時テロのあった01年9月以来の水準まで現金保有比率を引き上げている。ハイテク株に対しても慎重姿勢を強めるなど、「守り」に傾いている。

UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのマーク・ハフェル氏は「金利や景気後退の見通しが明確になるまで、株式相場は乱高下し、不安定な展開をみせるだろう」と指摘する。

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