[マニラ 17日 ロイター] - フィリピンと中国は南シナ海の領有権を巡る紛争の処理を改善するために、新たな対話チャネルを設けることで合意した。フィリピン外交筋が明らかにした。
両国は2日の定期協議で海上対話メカニズムの改善に関する文書に署名した。同筋が要点をロイターに明らかにした。
中国外務省の林剣報道官はブリーフィングで、この合意について質問され「中国は常にフィリピンと協力し、対話と協議を通じて海洋問題に適切に対処することにコミットしてきた」と回答。
「両国は、海洋情勢の安定と中国・フィリピン関係の全体的な状況を共同で守るために、外交と海洋警察の間の海洋関連のコミュニケーションに関する対話をさらに強化することに合意した」と述べた。
関係筋によると、海上問題に特化した3段階の対話チャネルを設立する。1つは「両首脳が指定する代表」レベルで、もう1つはそれぞれの外相や外務次官、または指定された代表レベルとなる。
3つ目は両国の沿岸警備隊が関与するもので、MOU(覚書)が締結され次第設置されるとしている。
同筋は両国の外務省がこの取り決めの実施に関するガイドラインを協議していると述べた。
対話チャンネルに関する合意は今回が初めてではなく、双方は既にそれぞれの海事事務所間にラインを設けている。
フィリピンの元最高裁判所判事で、同国の海洋権益を主張するアントニオ・カルピオ氏は、対話チャンネルについて「紛争の解決にはつながらない」と懐疑的な見方を示した。
「われわれが電話しても、向こうが出るかどうか分からず、待つしかない。対話チャンネルを設けるのは良いことなのだろうが、奇跡を期待してはいけない」と述べた。
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