■根の旨味がスープに溶け出す とろみを効かせたれんこんのスープは、体がよく温まるので、風邪気味のときにお薦め。雑炊にしてもおいしいのです。 胡椒と塩をしっかり効かせた鶏肉の団子と、パクチーの根が、だしを使わずとも旨味たっぷりに仕上がるスープの味わいに一役買っています。 れんこんは、半量をすりおろして加えることでスープのとろみになり、半量を叩くことでしゃりしゃりした食感が楽しめます。 □パクチーを知る 日本では、一般的に春か秋に種蒔きをします。芽吹いてすぐはスプラウト状ですが、その後生育するときの気候によって形状が変化。寒い時期に成長すると、地面に沿って放射状に広がっていき、温暖な時期に成長すると、天に向かって伸びていきます。南国のイメージが強いですが、実は冬場にもガッシリとよく育ち、味も濃厚で美味です。 □パクチーを元気にさせよう! 買ってきたパクチーに元気がないときは、全体が完全に浸るようにして、冷水につけましょう。10分もするとしゃきっとしてきます。ただし、浸しすぎても逆効果。日持ちが悪くなってしまいます。パクチーは意外と繊細なのです。 □ベトナム風鶏肉団子のスープのつくり方 ◇材料 (3~4人分) れんこん:200g 鶏挽き肉:150g A : ・ にんにくのみじん切り:小さじ1/2 ・ 塩:小さじ1/3 ・ 粗挽き黒胡椒:小さじ1/2 パクチーの根:2株分 赤唐辛子:1~2本 水:4カップ 塩:小さじ2/3 ナムプラー:小さじ1/2 ★ 仕上げ用: パクチー:適宜 粗挽き黒胡椒:適宜 (1)下準備 ・鶏挽き肉にAをよく混ぜておく。・パクチーの根は包丁の背などでつぶす。・仕上げ用のパクチーの葉は摘み、茎はみじん切りにしておく。 (2)れんこんをすりおろす れんこんは半量をすりおろし、半量は適当な大きさに切ってから、厚手のポリ袋に入れて、すりこ木などで1㎝程度の大きさになるまで叩く。 (3)パクチーの根に火を通す 分量の水に、パクチーの根と赤唐辛子を入れ、沸騰したら中火にする。 (4)鶏肉を加える 挽き肉を片手で適量つまんで、軽く丸めて落とし入れる。しっかり丸めないことで、肉団子からだしが出やすくなる。全部入れ終わったら2のれんこんを加え、弱火のまま7~8分煮る。 (5)仕上げ 塩とナムプラーで味つけする。器に盛り、パクチーの茎のみじん切りと葉をのせ、粗挽き黒胡椒をふっていただく。 --------------- ――教える人 「植松良枝 料理研究家」 都内の自宅と、神奈川県伊勢原市の菜園を行き来しながら野菜をつくり始めて10年。栽培する品種は年々進化している。合間を縫うようにして食文化研究の旅にも忙しい。 --------------- 文:植松良枝 写真:邑口京一郎 ※この記事の内容はdancyu2013年7月号に掲載したものです。
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