「政治は難しい。だから政治家に任せておけばいい」 もし、そう考える人がいたとしたら、すぐに認識を改めたほうがいい。死にかねない。 今、日本人は収入の4割以上を税金や保険などの社会保障費として納めている。だから、誰もが政治に口を出す権利がある。遠慮は必要ない。堂々と政治を語ったほうがいい。 世界を見てほしい。新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、海外では「政治の決断」による迅速な対応策が打ち出された。 香港は2月末の段階で、1人あたり約14万円の現金支給を決定している。アメリカも1人あたり最大約11万円の現金支給(小切手)を決めた。ドイツ、フランス、スペインなども大規模な休業補償を実施している。 いっぽう、その頃の日本で検討されていたのは「お肉券」「お魚券」などの商品券だった。 野菜を摂らないと栄養バランスが偏る、という話をしたいわけではない。 そもそも、商品券を「和牛」に限定することは、国産品購入優遇を禁止したWTO(世界貿易機関)に違反している。また、人々の移動が感染を拡大させるなか、日本の政治家はイベントや外出の自粛を要請していた。そんな状況にありながら「旅行券」を配る案まで出た。日本の政治は明らかに緊張感を欠いている。 これらの案は、いずれも国民から反対の声が上がったことによって見送られた。しかし、声が上がらなければ実現していたかもしれない。危うく世界に恥をさらすところだったのだ。 再認識しておきたい。そんな政治家を選挙で選んできたのは、私たち有権者だ。直近の国政選挙の投票率は5割を切った。今の日本で起きているのは、政治への無関心が引き起こした“人災“だといえるだろう。 人々の無関心は政治家を甘やかす。その象徴として私が挙げておきたいのは、安倍晋三内閣総理大臣の記者会見である。 多くの人が誤解しているが、総理大臣の記者会見は「国民に丁寧な説明をする場」にはなっていない。参加する記者も限定されている。だから政権のPRに利用されやすい。その事実に無関心な人があまりにも多い。 NHKの中継でテレビに映るのは、記者会見冒頭に総理が一方的に話す場面だけだ。このとき、総理の両脇にはプロンプターが用意されている。そのため、下を向かずに原稿を読める。テレビを見ている人には「力強く演説するリーダー」としての印象が強く残る。 しかし、その後に行われる記者との質疑応答はほとんど中継されない。だから、多くの人が総理会見の実態を知らない。私は総理会見に出席している数少ないフリーランスの記者として言う。ここでなされる記者とのやりとりも、ほとんど台本通りだ。 幹事社の質問は事前に官邸側に伝えられ、総理の回答も事前に用意されている。幹事社以外の記者からの質問も、官邸側が情報収集して想定問答を作っている。つまり、出来レースの「ぬるま湯会見」になっている。 記者会見を主催しているのは、新聞・テレビなどの大手メディアの記者で構成される記者クラブだ。しかし、実際の主導権を握っているのは官邸である。内閣広報官が司会進行を務めて質問者を指名するため、想定外の質問が出ることはほとんどないからだ。ちなみに内閣記者会は官邸内に家賃無料の記者室を提供されるなどの便宜供与を受けている。 いっぽう、記者クラブに所属しないフリーランスの記者は質問の事前通告をしていない。 ここで問題。みなさんは2012年12月の第2次安倍内閣発足以来、フリーランスの記者が総理会見で何回質問できたかをご存知だろうか。 実は2020年3月14日まで7年以上、一度も質問できていなかった。異常である。 フリーランスの記者の手がたくさん挙がっているのに、手を挙げていないNHKの記者が指名されたこともあった。これが日本の総理大臣記者会見の実態だった。 そこにようやく変化が起きた。3月14日、はじめてフリー記者が質問者に指名されたのだ。 その原動力になったのは、インターネット上で始まった「オープンな首相会見を求める署名活動」だろう。4万2000筆を超える署名が集まったため、ついに官邸も「記者クラブ以外の記者」を無視できなくなったのだ。 政治への関心が高まれば、政治に緊張感を与えることができる。緊張感が高まれば、無茶な政策を実行することはできなくなる。 だからこそ、日本人は4月1日に安倍総理が発表した方針を忘れてはいけない。「1住所あたり2枚の布マスクを配布する」 これを英断だと評価する人もいるかもしれない。そんな人には、WHO(世界保健機関)が新型コロナウイルス対策のマスク使用について発表した文書の記述を紹介したい。 「布製(綿やガーゼなど)のマスクは、いかなる状況下であっても推奨しません」 日本はもう手遅れかもしれない。
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June 14, 2020 at 06:41PM
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