フィギュアスケート女子で11月のグランプリ(GP)シリーズNHK杯初優勝を飾った坂本花織(20=シスメックス)が“肉々しいご褒美”を活力に変えた。

10日は神戸市内で公開練習。フリー「マトリックス」をかけての通しでは全てのジャンプを着氷させ「(NHK杯が)終わった後の1週間ぐらいは疲れが出すぎて、疲れがとれなかったけれど、だいぶ全日本(選手権)に向けての気持ちに変わってきています。順調にはきていると思います」と現状を説明した。

NHK杯では国際スケート連盟(ISU)非公認ながら、自己ベストとなる229・51点でGP初優勝。フリーを終えた夜は中野園子コーチから「今日だけは好きなものを好きなだけ食べていいよ」と言われ、滞在していたホテルのビュッフェで自らをねぎらった。

「いっぱい食べました(笑い)。お肉、お肉、お肉…、たまに海鮮っていう感じで。“肉々した食事”はあまりしていなかったので、おいしかったです」

昨季は2連覇を目指した全日本選手権6位など、悔しい思いが続くシーズンだった。辛口の中野コーチも「少し大人になった。だいぶしっかりしてきたと思います」と評価した上で「気を許すと大変なことになるので、安心はまだできません」とニヤリ。坂本は2年ぶりの全日本女王が懸かる全日本選手権(24日開幕、長野)に向けて「NHK杯以上の演技ができるように、練習をやりつくして自信をもっていけるようにしたい」と誓った。念願がかなった時には「先生と一緒にごはん行きたい…」。最高の“ご褒美”で2020年を締めくくる。【松本航】