親露派「ウクライナがクリミアの海上石油掘削施設を攻撃」…米ＣＮＮなど - 読売新聞オンライン

　【キーウ（キエフ）＝深沢亮爾】米ＣＮＮなどによると、ロシアが２０１４年に併合したウクライナ南部クリミア半島の海上石油掘削施設が２０日、ウクライナ軍のミサイル攻撃を受けたと親露派勢力指導者が主張した。クリミアのエネルギー施設が攻撃対象になったのは初めてとみられる。

　施設では火災が発生し、操業が停止した。攻撃当時は１００人あまりが作業中で、少なくとも３人が負傷し、行方不明者もいるという。ウクライナ海軍は１７日、黒海を航行中の露軍のタグボートをミサイル攻撃したが、今回の攻撃について、ウクライナ側はコメントしていない。

　黒海では、露軍の海上封鎖でウクライナの穀物輸出が滞っている。南東部の港湾都市マリウポリでは、港に取り残されている外国船舶に対し、親露派武装集団が港湾使用料を要求しており、出港が進んでいない。

　一方、ウクライナ東部では露軍が大規模な攻撃を仕掛けるとの観測が強まっている。ルハンスク州の知事は２０日、要衝セベロドネツクが、アゾト化学工場を除くほぼ全域で露軍の支配下にあることを認めた。

　セベロドネツクに隣接するリシチャンスクの南方約１５キロ・メートルに位置する２都市について、親露派武装集団は２０日、ウクライナ軍を包囲したと主張した。露国営テレビが報じた。

　２３日に始まる欧州連合（ＥＵ）首脳会議では、ウクライナの加盟について協議する予定だ。露軍は開催前に攻勢を強め、けん制する意図があるとみられる。

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