アメリカ、イスラエルへの爆弾輸送を一時停止=政府高官

砲撃

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アメリカ政府が先週、イスラエルへの爆弾の輸送を停止したと、米政府高官が発言した。イスラエルが計画している、パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファへの大規模な地上作戦を懸念しての措置だという。

この米高官は、BBCがアメリカで提携するCBSニュースに対し、2000ポンド(907キロ)爆弾が1800発、500ポンド爆弾が1700発が輸送される予定だったと説明。一方で、ラファの民間人への人道的ニーズに対するアメリカの懸念に、イスラエルが「完全に対処」していないと述べた。

ガザ地区では7日、イスラエル軍がエジプトとの国境にあるラファ検問所を掌握。その後、8日にかけてガザ各地で空襲があった。

イスラエルによる爆撃は、特にラファ周辺で激化している。現地の医療従事者によると、一晩の空襲で7人が死亡した家族もあったという。

昨年10月にイスラエルとイスラム組織ハマスの間で戦争が始まって以来、ラファ検問所は援助物資の重要な入り口であり、人々が逃げ出すことのできる唯一の出口となっている。

IDFは6日、ハマスの戦闘員排除とインフラ破壊のための「限定的な」作戦を行うとして、現地の数万人のパレスチナ人に対し、ラファの東側から避難するよう指示した。

一方、イスラエルの人質やパレスチナ人囚人の解放と並行して、停戦に向けた努力も続けられている。エジプトのカイロでは、イスラエルとハマスの代表団が仲介者を通じて交渉を再開する予定だ。

「ラファでの地上作戦を懸念」と

名前が明かされていない米高官はCBSニュースに対し、「アメリカの立場は、100万人以上の人々が行き場を失って避難しているラファで、イスラエルは大規模な地上作戦を開始すべきではないというものだ」とし、以下のように話した。

「イスラエルとは、戦略協議グループの形で、ラファにおける市民の人道的ニーズをどのように満たすか、またラファにいるハマスに対して、どのようにガザの他の場所とは異なる対応を行うか、対話を続けてきた」

「こうした議論は現在も進行中であり、我々の懸念が完全に解決したわけではない。イスラエルの指導者たちがラファでの作戦を決定する段階に近づいてきたことを受け、我々はラファで使用される可能性のある特定の武器のイスラエルへの輸送案を慎重に検討し始めた。これは4月に始まった」

「検討の結果、我々は先週、武器の出荷を一時停止した。その内訳は、2000ポンド爆弾が1800発、500ポンド爆弾が1700発だ。我々は特に、2000ポンド爆弾の最終用途と、ガザの他の地域で見られたような、密集した都市環境での影響に注目している。我々は、この輸送をどのように進めるかについて、最終的な決定を下していない」

この米高官はまた、「統合直接攻撃弾(JDAM)キットを含む、国務省の他の特定のケースについては、検討を続けている。いずれも差し迫った輸送ではなく、将来の輸送に関するものだ」と述べた。

その上で、この輸送は4月の画期的な170億ドルの軍事援助パッケージとは無関係であり、「以前に充当された資金」から引き出されたものだと強調した。

昨年10月7日のハマスによるイスラエル奇襲では、イスラエル側で約1200人が殺害され、250人以上が人質となった。イスラエルは直後に報復攻撃を開始した。

ハマス運営のガザ保健省は、ガザでのイスラエルの軍事作戦でこれまでに3万4780人以上が殺されたとしている。

同11月には1週間の停戦が実現し、この間にイスラエルの刑務所にいたパレスチナ人囚人約240人と引き換えに、ハマスの人質105人が解放された。

イスラエルによると、ガザでは依然128人の人質の行方がわかっておらず、そのうち少なくとも34人は死亡したと推定されている。