捨てるところがない!
鶏肉は料理をするのがつまらないと考える人は多い。それはきっと、味が淡白で、手間がかかる割にはさほど満足できる料理にはならないと思っているからだろう。けれども、私はそうは思わない。想像力をちょっと膨らませれば、あらゆる料理に使える優秀なたんぱく源になるし、鶏1羽があれば、あれこれアレンジできるからだ。
丸ごとローストするか、茹でてもいいだろう。けれども、丸鶏をさばいて部位に分け、ちょっと手を加えれば、よりどりみどりの料理ができる。もしかしたら、鶏肉に対する考え方ががらりと変わるかもしれない。
鶏肉料理と言えばおもに、胸肉、手羽、もも肉だ。けれども、調理するのがおもしろいのはそれ以外の部位だ。アジアの国々では、「ニッチ」な部位がさまざまに料理されてテーブルに並ぶ。たとえば、ぼんじり(その通り、お尻だ)やソリレス(腰骨の付け根の窪にある希少部位)、鶏ガラだ。さらには、内蔵の肝(レバー)に心臓(ハツ)、甲状腺(おたふく)。皮ですら、それだけで立派なおつまみになる。私が世界でいちばん気に入っているレストランのひとつ、香港の焼き鳥屋「Yardbird」のメニューには、鶏ひざの軟骨さえある。それがまたおいしい。つまり、鶏肉には捨てるところがないのだ。
今回は、重さ2kgと大きめのフリーレンジ(放し飼い)丸鶏1羽を、さばいて料理する方法を詳しくお教えしよう。ほんの少し手間をかければ、1羽で5回の食事が楽しめるはずだ。でもご安心を。手に入りにくい膝やお尻を使ったレシピはない。
クリスピーな鶏皮おつまみ
© Urvashi9
丸鶏から両サイドの胸肉を取り外したら、表面を覆っている皮を丁寧にはがそう。それを平らにならし、冷凍庫に入れる。凍ったら取り出して、脂肪をそぎ落とし、トレイに敷いたオーブンシートの上に、平らにして置く。表面に少量の蜂蜜を塗り、その上に別のオーブンシートをかぶせて別のトレイを載せ(こうしておけば、皮が丸まらない)、低温のオーブンで焼く。
パリパリに焼けたら、オーブンから出して、海塩とチリフレークを振り、密閉容器に入れて保存する。これをビールのつまみにして、1980年代に行われたサッカーの再放送を楽しもう。
手軽にできるアジア風フライドチキン
© Sergii Koval / Alamy Stock Photo
先ほど取り外した胸肉を4等分にする。ひと切れずつ、ラップに挟んで綿棒で叩き、薄く伸ばす。平らになった胸肉に小麦粉をまぶし、卵液にくぐらせ、最後にパン粉をつける。油を熱して、両面がきつね色になるまで揚げ焼きにしよう。
つけ合わせのサラダは、大根と、ぱりぱりした海苔、エシャロットのピクルス(またはラッキョウ漬け)、薄切りのラディッシュをポン酢で和える。甘みがあっておいしい日本製のキューピーマヨネーズを添えていただこう。
手羽先のロースト
© tasha_lyubina
軽食としてもおいしいし、ご飯やサラダにもよく合う。秘訣は、ピリ辛のマリネソースだ。
【材料】
醤油 大さじ2
ホースラディッシュソース 大さじ1
マスタード 大さじ1
ホットソース(私のお気に入りはタバスコハバネロソース!) 大さじ1
オリーブオイル 100ml
トマトケチャップ 大さじ4
にんにくみじん切り 1片
海塩 適量
【作り方】
マリネ用の材料をすべて混ぜ、手羽先を最低でも1時間は漬けておく。オーブンを225度に予熱し、マリネした手羽先をトレイに並べて、15分焼く。ライムを添えて、ライスと一緒にいただこう。
もも肉のパエリア風オーブン焼き
ちょっとした夕食にぴったりの料理だ。まずは、もも肉に塩とコリアンダーシードを揉み込み、ラップをして冷蔵庫で数時間寝かせておこう。
フライパンに少量のオリーブオイルを熱し、みじん切りにした赤玉ねぎ、赤パプリカ、にんにく1片、ナスを入れて炒める。
そこに、パエリア用の米100g、スライスしたチョリソー、サフランをひとつまみ加えて混ぜ、良質のチキンストック250gを注ぐ。寝かせていたもも肉を米と野菜の上に並べたらオーブンに入れる。
米と野菜がチキンストックを吸って汁気がなくなり、こんがりとした色になるまで、25分から30分ほど焼く。仕上げに、刻んだイタリアンパセリを散らし、レモン1個を絞る。
チキンスープ
© Elena_Danileiko
ここまで来たら、残っているのは鶏がらだけのはず。でも、お願いだから捨てないでほしい。水で丁寧に洗ったら、取っておいてスープを作ろう。
リーキ(西洋ねぎ)、ニンジン、玉ねぎ、にんにく1片を大きな深鍋に入れて、水分が出るまで炒める。白ワインビネガーを加えて煮詰め、次に白ワイン1杯を加えてさらに煮詰める。水分が野菜にほぼ吸収されたら、置いておく。
洗った鶏がらをオーブンに入れて、きつね色になるまでローストする。オーブンから出したら、野菜が入った鍋に入れ、ひたひたになるまで水を加える(水でなく、市販のチキンストックなら、なおいい)。沸騰したら、小さめのローリエ1枚とタイムを入れ、火を弱めて30分ほど煮込む。
味を確かめてから、ざるで濾す。滑らかな黄金色をしていて、鶏肉の風味がたっぷり出ているはずだ。冷めたら冷凍して、あとで使おう。
私はこのチキンスープを使って、パスタと地中海野菜が入ったミネストローネを作ったり、タイ料理風に、ニンニクや生姜、コブミカンの葉、ソリレス、チリを加えたりすることがある。何に使うにせよ、これ以上ないくらい最高の自家製チキンスープだ。
Words Jason Atherton
Translation Yasuko Endo/GALILEO
"鶏肉" - Google ニュース
July 23, 2020 at 07:00AM
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