【特集】G-SHOCK進化のカギを握る男たち
この秋冬に発売されるG–SHOCKの新作。中でも見逃せないのが、ここで紹介するG–SHOCK初のアナログ表示モデル「AW–500」の復刻版と、そのデザインを継承した初のフルメタルモデル「AWM–500」だ。
▲左から開発本部 機構開発統轄部 第一機構開発部・鈴木純一郎さん、開発本部 デザイン開発統轄部 Gデザイン室・網倉遼さん、開発本部 開発推進統轄部 プロデュース部 第一企画室 リーダー・泉潤一さん。最高でも35歳という若い開発チーム。何度も復刻された人気モデルだけに、復刻もフルメタル化でも大きなプレッシャーがかかったはず。だが見事にやり遂げた開発を担当したのは、オリジナルモデルの記憶がない30代前後の若い開発チーム。
「樹脂ケースの復刻モデルは、 昔からのG–SHOCKファンと、シンプルなデザインを好むファッションユーザーをターゲットに開発しました」とリーダーの泉さん。
ところで、オリジナルを知っている人なら、アナログ針の位置が中央に移動していることにすぐ気がつくはず。
▲樹脂の滑らかな造形を最新のメタル加工技術で再現。さらに徹底的に軽量化したセンターケース。ブレスレットも同じ滑らかな造形をメタルで再現「復刻ではケースも同サイズを目指しました。モジュールも現在生産されているものの中から一番オリジナルに近いものを採用。さらに全体のバランスも考慮して文字板をリデザインしました。その結果、アナログ針の中心軸が、文字板の中央になっています」 と網倉さんはリファインの理由を解説する。
「メタルモデルは、初代スクエアモデルをフルメタル化したGMW–B5000と同じ衝撃吸収構造を採用しています。ただ、樹脂モデルを同サイズでそのままメタル化すると大きく見えてしまうので、サイズを変えて試作を繰り返して最終的に、樹脂モデルよりひと回り小さいサイズにしました」
▲特にメタルのカタマリ感にこだわったオールシルバーモデルの針や文字盤、インデックスやベゼル。文字盤にも金属の蒸着処理が施される復刻モデルはオリジナルと同じ電池式だが、フルメタルモデルはソーラー駆動の電波時計。フルメタルだとケースとモジュールの間に空間を作らないと標準電波を受信するアンテナの感度が落ちるので、専用のモジュールを新たに開発して搭載している。
「設計で苦労したのはメタルモデルのセンターケースの軽量化です。重くなると落下時の衝撃が大きくなってしまうので、ユーザーには見えない部分を削ぎ落としてあります」と設計担当の鈴木さん。
▲さまざまな部分のサイズや形状を微妙に変えて作られたケース&バンドの試作サンプル。この結果、最適なサイズや形状に仕上がった驚いたのはケースやバンドの形状や仕上げ。特にミラーとヘアラインを使い分けたベゼルの仕上げや、一部のコマに3次曲面をつけたブレスレットの、価格を超えた作り込み。
これはスクエアのメタルモデル以上に魅力的な1本だ。
■オリジナルモデルAW-500-1Eとは?
1989年に発売されたG-SHOCK史上初の、アナログ針による表示がメインのモデル。時計らしい顔で「G-SHOCK=デジタル」というイメージを壊し、より多くの人に愛されるきっかけになった。このモデルなしに今のG-SHOCKはない。
▼文字板のデザインもリファインされて機能もアップ。クールな新色も登場 !
「AW-500E-1EJF」(1万4300円)
1989年のオリジナルとほぼ同じ(0.1mmアップ)の直径47.7mm。時分針の中心軸が文字板中央になってインデックスも改良、視認性も向上した待望の最新復刻モデル。電池寿命も約3年から約7年に進化した。クォーツ
▲(左)「AW-500BB-4EJF」(1万4300円)(右)「AW-500BB-1EJF」(1万4300円)▼初代G-SHOCKに続く伝説のアナログ・デジタルコンビ待望のフルメタルモデル
「AWM-500D-1A8JF」(6万6000円)
初代から31年目の今年、ついに登場したAW-500のフルメタルモデル。G-SHOCKのファンばかりでなく時計好きにも人気になること間違いなし。SSケース&バンド、ソーラー電波。ケース径44.5mm
▲6〜7万円のモデルとは思えないベゼルとバンドの細部の作り込みに注目。ベゼルはミラー仕上げと円周、縦と複数方向のサテン仕上げが施される ▲(左)「AWM-500D-1AJF」(6万6000円)(右)「WM-500GD-9AJF」(7万4800円)※2020年10月6日発売「GoodsPress」11月号掲載記事をもとに構成しています
<取材・文・写真/渋谷ヤスヒト 写真/三田村優 協力/カシオ計算機>
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