イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザ南部ラファでの軍事活動を継続している。国際司法裁判所(ICJ)が民間人を守る観点から攻撃の即時停止を命じたものの、同国はイスラム組織ハマスに対する方針を変更する兆しは見えない。
イスラエルの当局者らは24日にICJが出した命令について、慎重さを伴う限り軍事侵攻の継続を認めるものだとイスラエル側は解釈していると発言。イスラエル軍の攻撃は的を絞っており、全面的な侵攻からは程遠いと付け加えた。
イスラエルはラファで軍事活動即時停止を、国際司法裁が命じる (1)
一方、イスラエルの情報当局トップと米中央情報局(CIA)長官、カタール外相によるパリでの会談を受け、ガザ停戦を巡る交渉は週内に再開される見通しとなった。
停戦協議はイスラエル人の人質とパレスチナ人の囚人を交換し、戦闘を長期間停止することを目指したものだが、ハマスは停戦が戦争終結につながらなくてはならないと主張し、過去の協議は妥結しなかった。イスラエルはこの戦争が終結するのは、ハマスの敗北によってのみ可能だとしている。
ICJは24日、「イスラエルはラファでの軍事攻撃と、パレスチナ人の全体ないし一部に物理的破壊をもたらし得るあらゆる行動を直ちに停止しなければならない」と命じた。
この文言を巡っては解釈が分かれるようになった。多くは攻撃の停止命令と捉えており、24日にはそうした解釈に基づいて広く報道された。だがイスラエル側は、この命令は条件付きだと指摘。軍は民間人の死者を出すような行動はやめなければならないと述べている。
ハネグビ国家安全保障顧問は外務省の法律顧問との共同声明で、ラファでの軍事行動は「パレスチナ市民の殺害につながらない」と説明。同氏はさらにその後、イスラエルの民放チャンネル12で「ICJはわれわれにラファでジェノサイド(民族大量虐殺)を行わないよう求めている。われわれはジェノサイドを行っていないし、これからも行わない」と述べた。
原題: Israeli Military Proceeds Into Rafah Despite Court Ruling (1)(抜粋)
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