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ウクライナ平和サミット、領土一体性の原則など共同声明を採択…インドや南アは支持表明せず - 読売新聞オンライン

 【ビュルゲンシュトック(スイス中部)=森井雄一】ロシアの侵略を受けるウクライナが提唱する和平案について2日間の日程で協議した国際会議「平和サミット」は16日、共同声明を採択して閉幕した。声明では、ウクライナを含む全ての国家の主権や領土一体性の原則を再確認し、核兵器による威嚇は許されないことなどを明記した。

 初開催となったサミットには約100の国や国際機関の代表が参加し、ウクライナ主導の和平実現に向けた一歩となった。一方で、共同声明に参加したのは83の国・機関で、インドや南アフリカなどは支持を表明しなかった。ロシアに厳しい姿勢で臨む米欧と、中立を掲げるグローバル・サウス(新興・途上国)との亀裂も改めて浮かび上がった。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は閉幕後、「領土の一体性が尊重されない平和はあり得ない」と述べ、次回サミット開催に意欲を見せた。

 共同声明では、露軍が占拠するウクライナ南部ザポリージャ原子力発電所に関し「ウクライナの管理下で運転されるべきだ」などと訴えた。食料安全保障については、露軍による黒海経由でのウクライナ産穀物の輸出妨害などを念頭に「商船や港、港湾施設への攻撃は容認できない」とした。ロシアによる子供の強制連れ去りについても全員の帰還を求めた。

 ゼレンスキー氏は2022年11月に、露軍の完全撤退など「10項目の和平案」を提唱したが、サミットでは意見集約しやすいように3項目に絞って議論した。

 【チューリヒ=森藤千恵】岸田首相は15日夕(日本時間16日未明)、「平和サミット」で演説し、ウクライナで実現するべき平和について、「力や威圧による一方的な現状変更の試みを正当化するものであってはならない」と述べ、侵略を続けるロシアをけん制した。

 ウクライナ問題の解決は「国際社会全体を分断・対立ではなく、協調の世界に導いていくために象徴的に重要だ」とも強調した。

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