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親鶏肉 卵丸ごと 6次化ひと工夫 純国産種アピール 純国産鶏にこだわる養鶏業者が - 日本農業新聞

ジビエと鶏肉が入った薬膳カレーを紹介する織田社長(岡山県美作市で)

殻を割って、添付のシロップを掛けて食べる北坂たまごの「たまごまるごとプリン」(兵庫県淡路市で)

 純国産鶏にこだわる養鶏業者が、鶏肉や卵を生かした6次産業化商品を作り好評だ。岡山県美作市のウッディライフは、地元で捕獲した鹿肉と鶏肉を使った薬膳カレーを2種類発売。兵庫県淡路市の北坂たまごは見た目は卵、中身はプリンの「たまごまるごとプリン」を製造し、年間25万個を売り上げている。
 

ご当地カレー 鹿肉合わせ濃厚に


 薬膳カレーはスパイスが効いたスープに鹿肉と鶏肉が入り、ボリューム感たっぷり。薬膳料理の専門家の指導でレシピを開発した。土産用のレトルトの他に業務用を製造し、美作市内のレストランにも提供、ご当地カレーとして浸透させていく。

 市商工観光課とウッディライフが商品化に取り組み、昨年末に販売にこぎ着けた。同社は純国産鶏「もみじ」と「さくら」を飼養し、付加価値の高い卵を生産。鹿肉の他、廃鶏となった親鶏をカレーに加えることで、濃厚さが増した。化学調味料を使わずトマトやタマネギ、スパイスを多く使う。

 市内では年間に鹿5000頭、イノシシ1000頭が捕獲され、2割を地元の獣肉処理施設で精肉に加工する。ただ、大半が関西や関東へ流通してしまうため、地元で供給を望む声が高まっていた。

 織田忠宜社長は「野生鳥獣の肉(ジビエ)は若い年齢層に浸透していないのでカレーで普及させたい。米の消費拡大にもなる」と意欲を語る。レトルト品は黒カレーとキーマカレーがあり、1袋(180グラム)680円。市内の道の駅「彩菜茶屋」で販売する。飲食店での提供は道の駅などレストラン3店舗が定番メニューで扱う。

 市森林政策課は「ジビエは加工コストがかかり、安定した流通がないためどうしても価格が高くなる。ご当地カレーとして地元で安定した販路を広げたい」と期待する。
 

プリン 殻のまま特殊加工  


 「たまごまるごとプリン」を製造・販売する北坂たまごは、淡路市で養鶏を営む「北坂養鶏場」のグループ会社。生産する鶏卵の付加価値販売を目指し、卵の殻を割ると中からプリンが出てくる一風変わったスイーツを商品化した。

 特殊な機械で殻を割らずに中身をかき混ぜた卵を、蒸し上げ固めて作る。添加物を一切使わない卵100%のプリンで、特製のシロップを掛けて食べる。卵本来の濃厚な味わいが好評だという。

 専用の機械に鶏卵をセットし、特殊な方法で卵を回転させ、中身をかき混ぜる。数分間回転させた後、約70度で60分間蒸し上げて作る。同社の北坂勝代表は「低温でじっくり加熱することで、柔らかくしっとりとした食感に仕上がる」と話す。

 原料には、純国産種の鶏「さくら」の卵を使う。同養鶏場では現在、14万羽の採卵鶏を飼育しており、その9割を「さくら」が占める。北坂代表は「生まれたての新鮮な卵で作るのも売りだ。卵そのものの味を楽しんでほしい」とPRする。

 同養鶏場が運営する直売所では4個入り1000円で販売。島内外の土産店やサービスエリアなどでも購入できる。
 

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January 31, 2020 at 05:02AM
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